サブシジョンは、クレーターの原因となる皮膚深部の癒着を物理的に剥離する治療です。

肌表面を削るのではなく、凹みの原因へ直接アプローチすることで、ニキビ跡のクレーターや傷跡の改善を目指します。

Clinic I AMでは、患者様一人ひとりのお肌の状態とニキビ跡のタイプを見極めたうえで、一人ひとりに合った治療プランをご提案しています。

サブシジョンとは

サブシジョンは海外の臨床試験をまとめた論文で安全性・有効性が報告されており、1回の施術でも効果を得やすい傾向にあります。

(Najmeh Ahramiyanpour, Fatemeh Rastaghi, Seyed Yasamin Parvar, Ali Karimi Sisakht, Seyed Ali Hosseini, Maliheh Amani『Subcision in acne scarring: A review of clinical trials』)

凹みの原因となる深部の癒着そのものを切断・剥離

クレーターの底では、瘢痕化した硬い線維が真皮とその下の層を結びつけ、肌を内側へ強く引っ張っています。

ダーマペンやフラクショナルレーザーは表皮や真皮からの皮膚の再構築は促せるものの、硬くなった癒着を断ち切ることはできません。

一方サブシジョンは、皮膚に対して斜め横方向から針を挿入して動かし、線維を切断・剥離します。

引っ張る力が解放されることで、沈んでいた部分が持ち上がり、凹み・くぼみ改善につながります。

創傷治癒

癒着を剥離した部分には微細な傷ができ、この刺激が真皮の線維芽細胞を活性化させ、新しいコラーゲンの産生を促すきっかけになります。

創傷治癒力の促進によって肌が内側から再構築され、肌の凹凸がなめらかになる効果が期待できます。

サブシジョンが効果を発揮する症状

ニキビ跡

サブシジョンが最も多く用いられるのが、ニキビ跡のクレーター治療です。

クレーター状のニキビ跡は、主に「ローリング型」「ボックスカー型」「アイスピック型」の3タイプがあります。

いずれも皮下の瘢痕が関与するためサブシジョンは幅広いタイプのクレーターに適応しますが、単独でどこまで改善できるかはタイプによって異なるため、見極めが重要です。

タイプ特徴サブシジョンの適応
ローリング型角がなく、なだらかに波打つ凹み
ボックスカー型辺縁が角ばり、垂直に落ち込む凹み
アイスピック型狭く深く突き刺さるような凹み

ローリング型

ローリング型は、直径4mm以上と大きめで、辺縁にくっきりとした角がなく、なだらかにへこんでいるタイプのニキビ跡です。

サブシジョンが最も効果を発揮しやすいとされるのがこのローリング型で、深部の癒着による引き込みを切断・剥離することで改善が期待できます。

ボックスカー型

ボックスカー型は、比較的境界がはっきりした四角い凹みが特徴です。

サブシジョンによって凹み自体は浅くできますが、単独では角の立ったエッジが残ることがあります。

より滑らかに仕上げたい場合は、TCAクロスやレーザーなど表面側の治療を併用するのが効果的です。

TCAクロスの特徴を詳しく見る

アイスピック型

アイスピック型は、針で刺したように狭く深く突き刺さるような形状のニキビ跡です。

皮膚表面から見た穴は小さいものの、凹みが真皮まで達していることが少なくありません。

サブシジョンの適応はあるものの、単独での改善には限界があり、TCAクロスなどとの組み合わせを検討します。

手術やケガの傷跡・拘縮による引きつれ

手術や外傷の治癒過程で瘢痕組織が形成されると、皮膚が周囲組織と癒着し凹みが残ることがあります。

サブシジョンは、こうした手術やケガの傷跡、水ぼうそうの跡、脂肪吸引後の拘縮による引きつれ・ボコつきの治療にも用いられます。

セルライトによる凹み

太ももやお尻に見られるセルライトは、脂肪細胞と周囲の組織が絡み合い、固くなって皮膚を引っ張り込むことで、デコボコが目立つと考えられています。

サブシジョンは、このようなセルライトによる凹み治療としても行われることがあります。

サブシジョンと他治療の違い

ニキビ跡治療には複数の選択肢がありますが、アプローチの仕方には違いがあります。

サブシジョンが深部の癒着を横方向から断ち切るのに対し、ダーマペンやフラクショナルレーザーは表面から垂直に働きかける仕組みのため、得意とする凹みのタイプが分かれます。

治療法主な作用向いているニキビ跡
サブシジョン深部の癒着を切離ローリング型、深いクレーター
TCAクロス高濃度薬剤で創傷治癒を促すアイスピック型
CO2レーザー点状に熱を加え再構築を促す浅い凹凸・肌質改善
ダーマペン微細な針で肌の再生を促す浅い凹凸・肌質改善
ポテンツァRFとマイクロニードルによる再生促進浅い凹凸、赤み・色素沈着のあるニキビ跡

サブシジョンのメリット・デメリット

メリット

  • クレーターの原因に直接アプローチできる
  • 難治性のニキビ跡、クレーター肌に効果的な治療ができる
  • 他治療と組み合わせで効果を高められる
  • メスを使用せず切開による傷跡が残らない
  • 1回で効果を実感できることがある

デメリット

  • 内出血や腫れが生じることがある
  • 施術中に痛みや不快感を感じることがある
  • 症状によっては複数回の施術が必要になる
  • ニキビ跡の種類によっては他の施術との併用が必要

サブシジョンのダウンタイム

サブシジョンは皮下で組織を切り離すため、腫れや内出血といったダウンタイムが生じます。

症状の程度には個人差がありますが、内出血は1〜2週間程度、腫れは数日から1週間程度で落ち着くことが一般的です。

翌日からメイクが可能なため、内出血が気になる場合はメイクでカバーしていただくこともできます。

症状目安期間
赤み数日〜1週間程度
腫れ・むくみ数日〜2週間程度
内出血1〜2週間程度

サブシジョンがおすすめの方

✔ ローリング型のクレーターが気になる方
✔ クレーターの凹凸を改善したい方
✔ ダーマペンやポテンツァで十分な効果を感じられなかった方
✔ ニキビ跡の凹みを根本から改善したい方
✔ 水ぼうそう跡や外傷後の陥凹した傷跡を目立たなくしたい方
✔ セルフケアでは改善しないクレーターに悩んでいる方

サブシジョンの施術の流れ

1:診察・カウンセリング

はじめに医師がお肌の状態を直接確認し、ニキビ跡のタイプや凹みの深さを診断します。

当院ではサブシジョン以外にも、トライフィルプロやTCAクロスによるニキビ跡・クレーター治療も行っており、サブシジョンが適しているか、他治療の併用が望ましいかを見極めたうえで、治療計画をご提案しています。

費用やダウンタイム、リスクについてもこの段階で詳しくご説明しますので、気になる点は遠慮なくお尋ねください。

2:麻酔

洗顔・クレンジング後、施術部位に麻酔を行います。

針を用いる治療ですが、麻酔が効いた状態で進めるため、施術中の痛みを抑えながら治療を受けられます。

痛みに不安のある方は、事前に医師へご相談ください。

3:施術

麻酔が十分に効いていることを確認してから、専用の針を皮下に挿入し、医師が深さや方向を細かく調整しながら凹みの原因となっている癒着を切り離していきます。

4:アフターケア・ご帰宅

針穴の出血が止まったことを確認後、アフターケアについて説明を行い、問題がなければそのままご帰宅いただけます。

内出血や腫れを抑えるため、数日間は激しい運動や飲酒を控えましょう。

施術後の過ごし方は仕上がりにも影響するため、医師の指示を守ることが大切です。

サブシジョンの基本情報

施術時間30〜60分ほど
麻酔局所麻酔
施術回数・頻度1〜2か月ごとに3〜6回程度
主な副作用・リスク感染、色素沈着、しこり、再癒着、左右差、神経・血管損傷
洗顔当日から可能
シャワー当日から可能
入浴翌日から可能
メイク翌日から可能
激しい運動・飲酒数日間は控える

よくある質問

治療後に再癒着することはありますか?
サブシジョン後は癒着が解除されますが、治癒過程で一部再癒着(切断した線維が再びつながってしまう現象)が起こる可能性があります。
ただし、完全に元に戻ってしまうケースはまれです。
なお、施術直後は腫れによって凹みが一時的に持ち上がりますが、腫れが治まると、「凹みが戻ってしまった」と感じることがあります。
しかしこれは再癒着ではなく、サブシジョン本来の効果がまだ出ていない状態です。
組織修復やコラーゲン再構築は時間をかけて徐々に進んでいくため、効果の評価は施術から1〜3か月ほど経ってから行いましょう。
どんなニキビ跡に効きますか?
皮下の癒着が原因となるクレーター全般に適応がありますが、特に効果を発揮するのは、なだらかに波打つローリング型です。
ボックスカー型やアイスピック型にも凹みを浅くする効果は期待できるものの、角の立った縁は残ることがあり、その場合はTCAクロスやレーザーの併用を検討します。
何回治療を受ける必要がありますか?
ニキビ跡の深さや範囲によって個人差があります。
比較的浅い凹みなら1回でも変化を感じやすく、深く広範囲なクレーターでは複数回の施術が推奨されることもあります。
一般的には1〜2か月ほど間隔をあけて経過を見ながら、追加するかどうかを判断します。
効果はいつから実感できますか?
コラーゲンの産生による肌質の改善は時間をかけて進みます。
効果が現れる時期には個人差もありますが、施術後1〜2週間程度から変化を感じる人が増えてきます。
その後、本格的な効果は1〜3か月後に実感するというのが一般的な経過です。
内出血はどのくらい起こりますか?
サブシジョンは瘢痕をしっかり切離するため、内出血が出やすい施術です。
多くの場合1〜2週間ほどで自然に落ち着きますが、施術範囲が広い場合や体質的に内出血ができやすい方の場合、長引くことがあります。
内出血が気になる際は、翌日からはメイクでカバーすることも可能です。
内出血をできるだけ抑えたい場合は、施術前に医師へご相談ください。
レーザーやダーマペンとどっちがいいですか?
得意とする凹みのタイプが異なるため、一概にどちらが優れているとはいえません。
ただし、レーザーやダーマペンでは深い癒着を断ち切ることはできないため、ニキビ跡の主な原因が癒着の場合は、サブシジョンが選択肢になるでしょう。
自分のニキビ跡・クレーターに合った治療が知りたい場合は、まずは医師に相談してみましょう。